井ゲタ竹内|味付もずく・淡塩さばなどの製造販売

お知らせ

恩納村漁協 金城組合長インタビュー 

2024.01.30

恩納村漁協代表理事組合長 金城治樹様



恩納村漁協代表理事組合長 金城治樹様-インタビュー

20231122

恩納村漁協の組合長 金城治樹さんにもずくづくりの熱い想いを語っていただきました。

日時:20231122

場所:恩納村漁協前

聴き手:井ゲタ竹内

撮影:古谷千佳子

もずく養殖という仕事について

もずく養殖は、元々父親がやっていた、ということもありますけれども、はじめた当初は何もわからない若造でした。父親の背中を見ながら、しっかりと父親から技術を学びながら、どのようにしたら、より一層良くなるか、ということを、父と相談しながら、時に、喧嘩しながら、やってきました。

環境負荷が少ない漁業、獲る一方でなく、生態系を守りながら行えるもずく漁をいろいろ勉強しました。特に、海を豊かにしながら、かつ、しっかり経済活動を行えるという私たちの組合がやっている独自の漁業であるということを、すこしづつ理解していきました。やっぱり、先輩たちは先見の明があって、このことを営んできたんだな、ということが、すごい強く理解できます。強く、、、納得じゃなくて・・・共感した、と言えばいいのかな・・・という感じですね。

しっかりと生計を立てられる、って大切だと思うんですよ。どうしても漁獲漁業=魚を獲る漁業だと、魚が獲れなかったら赤字になってしまうわけですよ、とても苦しくなってしまう。

もずく養殖の仕事はもちろん好きです。単純にお金を儲けるだけの仕事だったら、やりがいがないじゃないですか。

いろいろな養殖活動をしているうちに、いろいろと知識を得ることによって、もずくの中に住んでいるいろんな生物が、ちゃんと育つための藻場の保全とか育成とかがどれだけ海の中の海中環境に対して、それをしっかり守らないと、私たち漁師の漁業活動が行えない。

やはり漁師の漁業活動も生態系の一部ですよ。そういうことをしっかりと、やっていければと思っています。

もずく養殖の大変なところ

ほとんどの時間が水中作業になります。種付が始まってからは、水の中の作業になるので、やはり非常に体力勝負ですね。丸一日ほぼ、、、、お昼時間くらいしか、船の上に上がりませんので、朝から晩まで水の中です。ただ、ぷかぷかとファンダイビングみたいに、のんびり泳ぐわけではなく、網を持って、移動させたり、鉄筋の補修、異物の除去、いろんな作業があります。また、冬場は、低水温の水の中での作業になりますので、非常に、体力的にはきついところがあります。

もずく養殖の嬉しいところ、楽しいところ

1年の生活の収入の大きなところがこれにかかっている、というのも当然ありますので、まずはしっかりと芽出ししてくれることが、まず、大切ですよね。

暖冬の影響で、糸もずくが大不作だった年は、みんな、漁師さん、生活の心配をすごくされていました。失敗してしまった糸もずくの養殖を急遽変更して、太もずくに切り替えて、なんとか生計を賄おうと、必死だったことを、記憶しています。

やはり、しっかりと芽出ししてくれる、ことが何よりの喜びですよね。

同時に、芽出しをしてくれると、なんとか今年も大丈夫そうかな、という安堵があります。

もずく養殖にこめる想い

自分の生活の話だけですけど、それだけだとただの経済活動でしかないのですが、
それプラスアルファが、恩納村漁協の漁師には大切だと思っています。

井ゲタ竹内さんとの取組みの中で、やはり、実際に商品を買ってくれる人たちと触れ合える、というのが、非常に大切だと思ってるんです。そういう自分たちが生産したもずくを召し上がってくださった人たちと、実際に、直接話をすることによって、自分たちのつくったもずくが、ただの原料生産しているだけではなく、責任という意識が向上する、ということがあります。

実際、私自身、青年部時代にそれを実感して、実際に、もずくを買ってくれる消費者との話し合いで、さらにもっと美味しいものを、さらにもっと品質の良いものを、、、、というふうに、向上心が芽生えることになったな、というのが強くあります。やはり若い生産者ほど、しっかり実感してほしいですね。それが向上心につながります。

品質の良いもずくを生産するために心がけていること

やはり、種付の時点から、しっかり消毒するなど気をつけています。また、異物が入らないように、もずくの網の補修などしっかりします。あまり無理やり補修をしてしまうと、異物の混入につながるという件もあるので、ある程度ボロボロになったら、見切りをして新しいものにどんどんもずくの網を入れ替えていきます。当然海の中で、自然の中での養殖なので、他のもずくを始め、流されてきた人工物とか、いろんなものが絡まってしまいます。それらをしっかりと、毎日除去する。陸上の農家さんが、畑をきれいに管理するのと同じです。雑草を取ったりするのと同じです。私たち漁師は、海の中で、一生懸命より美味しい品質の良いもずくを提供できるように常に努力しています。

恩納村漁協にとっての井ゲタ竹内との協創

ただ商品というか、原料を売り買いするだけの、商売相手ではなく、一緒になってより良い商品を作っていこうという協力関係、と言ったほうが正しいのかな。ただの売って買って、はい終わり、ではない一緒になって協力する、、、よく「協創」という言葉、、、競い合うのではなく、共に作るの方の協創、、、の関係ですね。

ただ商品を売り買いするだけでなく、どのような流通を経て、消費者の元へ届くか、それを、生産者がしっかり聞くだけでなく、その目で見る。そういった活動もしっかりと力を入れてやってくれています。それによって漁師のモチベーションも上がるし、品質への意欲も上がる。同時に消費者からしたら、名前も知らない、顔も知らない生産者が撮った水産物より、顔が見えたほうが安心感がありますよね。そういった意味でもとてもいい、協力関係ができているかな、というふうに思っています。

また、年1回、井ゲタ竹内さんと共同で生産者会議を行っていますが、次のシーズンの方向性をみんなでしっかり確認しつつ、また問題点があれば、みんなでしっかり協議をする大切な場ですね。またそれだけではなく、異物が混入した場合、これ、誰の異物から出たのか、どのタイミングで、どの畑から出たのか、トレーサビリティを導入しているからこそ、全てわかる。どのロットから出たかがわかれば、漁師さんは記憶していて、じゃぁ、こういった場合に出たということは、こういったことが原因ではないかと探ることができる。それによって漁師さん、みんなで情報を共有して、こういうことをやったら異物が入りやすいから、こんなことはしないでおこう、、、と対策を練ることができる。皆が共通の問題に直面したときは、みんなで情報を共有して、みんなで原因を探る。それの原因がわかった時は、みんなでその情報をさらに共有してその対策を練る、ということを行いました。とても大事ですね。食べ物を生産させている以上、異物の混入は、可能な限りゼロに近づけたい、そのためには漁師さんたちが情報を交換しつつ、対策を練る大事な会議ですね。

井ゲタ竹内さんと共同で立ち上げたトレーサビリティのしくみがなければ、原因がわからなければ、対策のしようがない。そういった面でも井ゲタ竹内さんとの関係は、品質向上のために非常に大きな役割を担っている。ただ、陸上げしてはい終わり、、、では、このレベルには達せないというふうに思っています。

もずくの養殖への誇り

やはり美味しいと言っていただける消費者の声、これがもう、生産者冥利に尽きる、って話じゃないですかね。商品を買ってくださる消費者の生の声を聞くのが一番励みじゃないですかね。やはり港にもずくを収穫して、荷下ろしして、はい終わり、、、ではなくて、その先、井ゲタ竹内さんの工場で、どうやって加工されて、どうやってトラックに載ってその先に行くのか、どうやって消費者の元に届くのか、しっかりと漁師さん、生産者も見て、そのうえで、消費者の生の声を聞いておく。そういうことによって、物流のこともを知って、自分たちの生産物がいいかげんに加工されているわけではなく、しっかりと品質を高めるために非常に気を使って製品にしてくださる、というのをしっかりと自分たちの目で見ることによって、自分たちもさらに美味しいもずくを作るのにどうしたら良いかという、向上心の原動力になる。これが生産者として非常に大切じゃないかな、と私は思っています。

サンゴの保護の活動について

非常に大切な活動であると認識しております。私たちの組合の漁師みんなは、共通の認識として持っております。やはり、サンゴの大白化現象が起きた年とかは、必ず、もずくも、、、糸もずく、太もずくとも、大不作になります。やはり、海中の環境のバランスが崩れている状況では、いくら努力してもいいもずくは、やっぱり取れない。その白化現象自体は、私たち1漁協の力では止められませんけれども・・・可能な限り早く回復するための努力はできるので、そのために、白化に強い親サンゴをしっかりと養殖して、そのサンゴに産卵してもらって、1日も早く自然の力の回復を人間の手によって手助けする。海中環境を少しでも早くよくすることが、いいもずくを作るためのみならず、恩納村の海の中をよくする活動になるので、組合員の漁師みんなでしっかりとやっているところですね。やはり、サンゴは海の中の生態系の土台なので、彼らが死滅してしまうと、非常に大きな悪影響があります。しっかりと守っていかなければならない生き物だな、と思っています。

私たちの先輩方の時代から、美味しいもずくを作る環境づくり、そして恩納村の海の中をよくするためにいろんな活動をしてきましたことが一番の誇りです。そのおかげで、きれいな海を保てていると思っております。これからもしっかりと、そのきれいな恩納村の海を維持していくためにもやはり、購入してくださる消費者様の協力が必要です。是非、商品の利用をお願いします。

サンゴの養殖をされてから恩納村の海はこう変わった

非常に変わったと実感しております。白化現象が起きた後、サンゴはほぼほぼ死滅してしまいます。以前の大白化現象では、8割くらい、、、、恩納村のサンゴは死滅してしまいました。ほとんどのサンゴ礁だったところが、ただの岩盤・・・ただの岩だらけの海底になってしまったのですが。スズメダイの仲間、サンゴ礁類の魚が、ほぼほぼ見られなくなってしまいました。当然、住む家を失ってしまったので、逃げ隠れする所がなくて、生きていけないわけですよね。当然、サンゴに住む甲殻類、、、、軟体動物、ナマコとかヒトデとか、いうのも、当然軒並み姿を消してしまったように、生態系自体が、脆弱になってしまった、というのが、正しい言い方かもしれません。生き物が、目に見えて減ってしまった。そのままでは当然良くないですよね。自然に任せると何十年と、回復に時間がかかってしまうが、それをなんとか人間の手で、早めてあげられないかということで、養殖をスタートした、という経緯がありますね。

海人としてのサンゴの養殖へのかかわり

海の中の環境を守るのは、漁師の仕事でもある、と認識しております。言ってしまえば、漁師にとって海は職場ですから、職場の環境をよくするのは当たり前の話です。また、沖縄県は、観光で非常に有名な県ですけども、私たち漁師がしっかりと海を守らなくて、ほったらかしだったら、、、バランスが崩れて、サンゴも無い、、、生き物もいない、そんな海に来て、リピーターさんになってくれますか?という話ですよね。県の産業のためにも、海の中の、海中保全は、やっぱり、大きな仕事だと認識しております。

海人の想いが反映されている井ゲタ竹内の商品

井ゲタ竹内さんの商品には海人の想いがとても反映されていると思います。トレーサビリティをここまで徹底しているところ、また、実際に生協さんのところでの、商品展示会とかに、組合の職員を連れていくだけでなく、しっかりと生産者を連れて行って、現地の人たちに、生産者が商品を一生懸命宣伝する。これも非常に大切な活動だと思っています。

やはりここまで、やっているもずくの生産している漁協って、他に、、、自分の知っている限りでは、ないと思います。やはり、もずくの養殖を、最初に始めた組合の一つなので、やっぱり元祖としてのプライドというものを、これからも維持していきたいと思う。一番いいものは、恩納村、というように認知されるように、これからも努力していきたいと思う。井ゲタ竹内さんと一緒に、いい商品を作る、それを実現できたら楽しいな、と思っています。

私たち生産者が一生懸命、生産したもずくを、井ゲタ竹内さんが丁寧に加工して商品にしてくれています。

他の加工メーカーさんと比べろというのも、ちょっと変な話ではありますけれども、あの・・・絶対に負けないような、自信のある商品ですので、是非、1回、食べてみてください。違いがわかると思います。